PEOPLE UNDER THE STAIRS “O.S.T.”

PEOPLE UNDER THE STAIRSのサード・アルバム。

プロダクションを担当するのは、勿論THES ONEとDOUBLE Kの2人。これまでのアルバムから何ら変化のない、ファンク・サウンドを選りすぐりのサンプルで奏でている。だが、安易なネタ使いが目立った前作に比べ、本作ではフレッシュなネタ選びで楽しませてくれる。”THE HANG LOOSE”は、オールドスクール丸出しのラップと共に彼らの音楽性を象徴するパーティーチューン。先行シングル”JAPPY JAP”などはもう一ひねり欲しい所だが、”THE OUTRAGE”や、ラガMCのODELLを迎えた”O.S.T.”はアルバムの良いアクセントになっている。スムースな所では、”THE BREAKDOWN”が突出している。アルバムの締めくくりに相応しいメロウ・トラック。シンプルな”EMPTY BOTTLES OF WATER”やキュートな”TALES OF KIDD DRUNKADELIC”も良い。

ライムも相変わらず。パーティーや地元L.A.賛歌、ネタ掘りの哲学。極めてオーソドックスなフロウは、トラックの雰囲気と良くマッチしているが、それ以上でもそれ以下でもない。

ハッキリ言って、やってる事はこれまでの2作品と全く同じなので、既にそれらを持っている場合はこのアルバムを買う意味があまりないとは思う。良質なアルバムである事に間違いはないんだけど。