カレッジ・ラジオでの受けが良さそうなAESOP ROCKにEL-P、MR. LIF、RJD2などが中心だったDEF JUXだが、今年に入ってレンジを広げようとしてるように見える。MURSは勿論西海岸支部って感じだし、C-RAYZ WALZとこのS.A. SMASHは、王道ハードコア・ヒップホップと言うか。CAMU TAOとMETROのオハイオ・コンビによるユニットS.A. SMASHのデビュー・アルバム。エロ話に草吸ってハイ、クラブで乱痴気騒ぎの後はワックMCを叩きのめすって感じの、シット・トーキン。強烈なデリヴァリーで引っ張るCAMU TAOと、脱力フロウのMETROの相性も問題なし。個人的にCAMU TAOは、声質といいデリヴァリーといい、最近の一番のお気に入り。キャラの立ち具合が半端ない。ゲストの人選もツボを心得てて、VAST AIREなんかはこれ以上ない位溶け込んでてイルだし、何といってもAESOP ROCK参加曲のタイトルが”LOVE TO FUCK”だから。
トラック的には、やはりEL-Pが唯一手掛けた”ILLY”がダントツ。直球勝負に出た時のEL-Pのカッコ良さは、最早理屈じゃありません。CAMUやPRZMらオハイオ勢のシンプルなトラックも、口汚いリリックとよくマッチしていて嫌いじゃない。程なくユルーい感じもまた最高。
なんか全体的に、EASTERN CONFERENCE色の強いアルバムかな。CAMU絡みって事で、NIGHTHAWKSのアルバムに近い感触。DEF JUXの割にカッティング・エッジじゃないとか色々と意見も出そうだが、こういう正統派ヒップホップ・アルバムまで出されちゃ、他のレーベルの立場はますますないね。とりあえず、ジャケットのアートワークは下半期ベストの一つに軽く入ると断言しとこう。パンク！
