![](https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEh75yAq02Xdi0ts_8O1nzVME_TJpIBhqoHu2L9I8gpLB1SB_H4x4KQkdGRhCPET8_HQqpMW5vkgiBfqtBCvpD68NEzd26gctb94N7hnakbux2tEO8xiW-pMASb8F62YNhApbanxxJo9AMxT/s320/tachichimoves-truth-of-trade.jpg)
TACHICHIの魅力は、なんと言ってもその特徴的な声だろう。軽視されがちだが、ラッパーにとって声は大事だ。彼の場合も、リリシストとしては水準よりチョット上といった感じだが、彼の声は癖になる魅力を持っていて、早口でライムを淡々と吐いていく。トピック的にはと言うと、最も多いのがいわゆるバトル・ライムで、”SKITZOPHRENIA”、”TOO DOPE FOR COMFORT”、”HOUSE CRASHER”などで、どれもタイトなパンチラインをキック。他には、メジャーに反旗を翻す”SUPERSTAR”、”INDEPENDANCE ENGADGED”、R&Bっぽいヒップホップを斬る”UNION STRIKE”、エロネタ”BUSH GARDENS”、酒の歌”BOOZE HOUNDS 1″、どれもドープだ。
MOVESのビーツも非常にクリエイティヴで、個人的には彼のベストの仕事がココで聴けると思う。”SKITZOPHRENIA”のドラム、”TOO DOPE FOR COMFORT”の幻想的なループ、”DARTMOUTH”の渦を巻くハイハット、やたらとイレギュラーな”HOUSE CRASHER”、ドラム、ループ、全てが素晴らしい”ONE LAST RHYME”など、どれも必聴のトラックばかりだ。インスト物の”OFFROAD RACING”もドープ。
TACHICHIとMOVESはこのアルバムで、カナダのヒップホップ・シーンが世界でも有数のドープな才能を抱えている事を証明してくれた。色々なMCにビーツを提供しているMOVESだが、TACHICHIとの相性が一番良い様だ。ポップでありながら実験的、というのはナカナカ難しいが、ココでは見事に成功している。