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アルバムタイトルどおり、それぞれの曲名に人名を付け様々な人生を語るとは、実に面白いコンセプトだ。自らの人生に何の希望も見出せない”MARINA J ANDERSON”の物語が、トラックの出来も併せて頭一つ抜けた出来だが、それ以外の曲も総じて良い。そこで語られている物語がどんな形であれ共通しているのは、現状から脱出しようともがく人間の姿。”ヒップホップは痛みの音楽だ”と言ったのはBOSS THE MCだったが、XOLOLANXINXOにしろSLUGにしろ、優れた地下のMC達は何処にいようと共通の価値観を共有しているように見える。
コンセプチュアルなアルバム構成に相応しく、プロダクションはDEESKEEの手に一任されていて、彼の充実した仕事振りがこのアルバムを完成度の高いモノにするのに貢献している。ネタ選びやドラム・プログラミングに新鮮味はないが、チカーノ・ロックが好きだというDEESKEEの嗜好性が如実に表れたトラックは歌心溢れるXOLOLANXINXOのデリヴァリーにはピッタリだし、アルバムのコンセプトをより強固にしている。ドープ。
ゲストMCも無し、プロダクションも全てがDEESKEEというこのアルバムは、そのお陰か、トーンの一定した極めて的が絞られた仕上がりだ。2人の相性がここまで良いとは思っていなかったし、XOLOLANXINXOというMCがこうしたコンセプチュアルなアルバムを作った事も驚きだった。現時点での一つの到達点。