YOUNG JOSEPH “NOISE POLLUTION”

(このレビューはカセット・アルバムの物です)

サン・ホゼの4トラッカー、WESTCOAST WORK FORCEのJOE DUBS又の名をYOUNG JOSEPHは、音質の悪い4トラックならではのサウンドを聴かせてくれる。ファンク一辺倒ではなく、80年代ポップスやフュージョン、ニューウェイヴなど、多彩な音楽の影響を如実に感じさせる彼らのサウンドは、もっと注目されていい。

やる気なさそうな粘っこいフロウが全開のYOUNG JOSEPH。A面は、哀愁漂うファンク”OUR TIME TO SHINE”、スペイシーだがとにかくチープな”WHAT YOU NEED”、フックの女性ヴォーカルがファンキーな”TOO FAST”など、どれも良い。ポッセカット”DUCKS ON THE POND”は2分に満たない短さで若干欲求不満だが、”LIFE AND TRIALS OF AN M.C.”は期待通りABSTARACT RUDEがいつもの喉を聴かせてくれる。B面に移って、ベスト・カットの登場。タイトなドラム、ベースライン、スムースなピアノループ、全てが折り重なって最高のグルーヴを作り出す”PUTTIN RAP IN ITS PLACE”がそれ。余りらしくないが、ドープの一言。哀愁漂う80′Sファンク”FROM PHOENIX TO THE BAY”、怪しいことこの上ないTOMMY Vとのデュエット”MANY STORIES”、爽やかなラヴソング”LIONESS”など、A面以上に粒揃いだ。シンプルなベースラインが耳に残るSHAPE SHIFTERSクルーのEXISTとの”NO TIME FLAT”や勢い溢れるピアノループが最高な”NO DEBATE”など、終盤にいくにつれテンションも最高潮に。最も多くフィーチャーされている紅一点NEILAは、フィーメルMCには珍しくトリッキーなフロウで楽しませてくれる。特にシンプルなトラック上で暴れまくる”OVERHEATING”は、彼女の独壇場だ。

ALEX 75と共にトラックを手掛けているのはJOSEPH本人だが、乾いたウェスト・コースト・ファンクを基調としながらも独特の浮遊感漂う音作りは、なかなかのもの。オリジナル。

とにかく音質は悪いがそれが幸いして、アルバムの泥臭さ/ロウネスは最高潮。新しい事は何一つやってないのだが、ホームメイド・ファンクの最高峰と言っても良いほどのファンク臭が漂うアルバムだ。